恋の家庭教師

俺が考えごとしてるのを見かねてか、唯は無言で俺も無言だった。

「…今日は英語だったな。」
俺が先に沈黙を破る。

唯は状況を理解できない様子で、俺の顔を上目遣いでしばらく見つめてくる。

「…うん?!」

「だからー。今日は英語だろ?」

「……あぁそうだね。」

「なに。他になんかあんの?」

「あ…いや、ない。」

「ふーん…」

なに考えてんだか…。

今日告りたかったけどなー、また今度に先延ばしするか。
あんま焦って失敗するよりマシだろ。

…唯が欲しい。
だから、恋愛に対して慎重になってきた…って。そうとう溺れてるな、俺。

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