ただ君が好きで


次はクレーンゲームに燃える。





…っていうか、あたし1人燃えている。

「あーっもうちょっとだったのにっ。このバカ機械!」


「雪菜、機械にあたるなよ~」

「だってムカつくんだもん」

「ほら、俺がとるから」


膨れてるあたしをよそに海斗はお金を両替する。



「これ、難しいよ…?」

と、忠告するあたしを無視してクレーンゲームにお金を入れた。




ほんと、海斗は優しいんだから…


「とれた!」

「えっうそ?」



海斗は嬉しそうに笑って、クマのぬいぐるみを雪菜に渡した。


「ありがとっ!っていうか、海斗クレーンゲーム上手いんだね」


「雪菜が転がしてくれたおかげだよ」




それでも、一発でとっちゃうなんて…


かっこよすぎっ。



「ぬいぐるみ、大事にするね!」


「うん、ありがとう」




あたしはぬいぐるみを抱きしめた。



きっと一生の宝物…。
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