ただ君が好きで
帰り道、海斗と横に並んで歩く。
外はもうすっかり真っ暗。
ビルやマンションの電気が夜の外を照らす。
春だけどやっぱり夜は寒くて、ちょっとだけ早歩きになる。
「今日は楽しかったね」
あたしは、海斗を見て言った。
「和樹と友達になれたし」
海斗は満足そうに笑う。
「未玖とも久しぶりに遊べたし」
「雪菜の友達っていい人ばっかりだね」
そうでしょ、っと言って雪菜も笑った。
友達を褒められるってなぜか嬉しい。
「未玖ちゃんにも、和樹にもまた会えるかな…」
「学校近いんだから、またみんなで遊べるよ!」
「そうだね」
心からそう思ったの。
あたしも
海斗も。
そのあとも、あたしたちは今日の出来事についてずっと話していた。
なんで、和樹くんてあんなにトランプ弱いんだろう、とか
今度はみんなでウノしようよ、とか
たくさん、話した。
海斗…
運命ってすごく残酷。