ただ君が好きで


「おわっ雪菜、来るの早っ!」

優太は部屋でゲームをしていた。




「妹も家いないし暇だったからね~」


部屋に入るといつものごとく、あたしは優太のベッドの上に座り込んだ。


このふかふかなベッドがあたしのお気に入りだったりする。






「ってか、いいかげんノックして入ることを覚えろよなー」

「あはは、ごめんて。いつもの癖でね~」


小さい頃から優太の部屋にはよく遊びに行ってた。

今さら癖づけるのは難しい…。



これが慣れってやつ。



「ちょっと優太~、ゲームしっぱなしじゃ、あたしが暇じゃんっ」
あたしはベッドの上で転がりまくった。


「はいはい」




いつもなら絶対、
えー、とか言うくせに今日は素直な優太。



今日はやけに素直だ。




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