ただ君が好きで
「だからっ…いるよ」
いや…それは聞こえたけど…。
自分で聞いておいてなんだけど、反応に困ってしまった。
「へえっ以外。誰なの?」
「…さぁね」
さすがにそれは教えてもらえないか。
それなら、質問を変えてみる。
「じゃあ…どんな人?」
優太は黙り込んで考える。
「無神経で、コーヒーよりココア派な人」
「 ココア派なんかいっぱいいるしっ」
女の子なんだから甘い方選ぶ人の方が多いでしょ。
もうちょっと、髪型とか分かりやすいもので言ってくれないと、見当もつかないじゃん。
ってか無神経…って悪口…だよね?
でも…
「…ほかにヒント!」
「…もぉ言わない!!」
「けちーっ」
優太はその人の事、そういう所含めて
"好き"
なんだろうなぁ。
髪型とか誰から見ても分かるようなものじゃなくて、優太はその子の性格とか、好みまで分かるんだもんね。
自分の事をちゃんと見てくれる人がいるって
幸せなことだと思う。