奪愛-DATSUAI-
「とにかくそこに案内してくれ!」


あたしは自力で彼らの先頭を走り、隠れ場所へ案内をした。




「ハァ・・・ハァ・・・・」


その場所に着いたときにはみんなだいぶ息が切れていた。



「・・・で・・・?・・・なんで君まで・・・?」


慧が息を切らしながらうしろを振り返った。


みんなが慧の見ているほうを見る。


「・・・亜紀ちゃ・・・」


「・・・千恵が・・・ハァ・・・心配・・・だっただけよ・・・」


亜紀は両手を膝について激しく呼吸をしながら言った。



和輝(かずき)という男をゆっくりと座らせ、息を整える。


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