奪愛-DATSUAI-
「んじゃこの子だけ連れてくか!」


「千恵!!」



力強く握られている手に力が入らない。


亜紀の方を振り返りながらあたしは彼らの行く方へ引っ張られていった。


「っ!」


突然一人の男がよろめいた。


「・・・和!?」


「さっきまで気付かなかったが足を捻挫したかもしれねぇ・・・」


「だったらそう遠くへはいけねぇな・・・」



「あ!だったらあたし近くの隠れ場所知ってるよ?」
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