春風と共に 続
「簡単に話しました・・・」
「てか、お母さんはその後どうしたの!?
まさか、ほったらかし???」
「いや・・・
去年逝っちゃったよ
私はなんにもできなかったよ
なんのために、ここに来たんだろうね」
声が震えてるのも自分でわかる
気付いたら涙がとめどなく溢れてくる――
なんでだろう?
わ、私は人前ではあんまり泣かないのに――
もしかしたら悠さんの前だからかな?
「春奈のせいじゃないよ
お母さんも上では喜んでるんじゃないの?
でもさ、俺たちと一緒に居たとき
薬なんて探してなかったような・・・・」
そう言って悠さんは優しく私の頭を
撫でてくれた・・・・
まるで、お母さんと似ている
いつも、私が泣いてると優しく撫でてくれるところが
「探してた・・・
散歩とかのついでに探してたよ・・・
なのに・・・
なかった、どこにもなかったの・・・