春風と共に 続

「簡単に話しました・・・」

「てか、お母さんはその後どうしたの!?

まさか、ほったらかし???」


「いや・・・

去年逝っちゃったよ

私はなんにもできなかったよ

なんのために、ここに来たんだろうね」

声が震えてるのも自分でわかる

気付いたら涙がとめどなく溢れてくる――

なんでだろう?

わ、私は人前ではあんまり泣かないのに――

もしかしたら悠さんの前だからかな?


「春奈のせいじゃないよ

お母さんも上では喜んでるんじゃないの?

でもさ、俺たちと一緒に居たとき

薬なんて探してなかったような・・・・」


そう言って悠さんは優しく私の頭を

撫でてくれた・・・・

まるで、お母さんと似ている

いつも、私が泣いてると優しく撫でてくれるところが

「探してた・・・

散歩とかのついでに探してたよ・・・

なのに・・・

なかった、どこにもなかったの・・・





< 47 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop