初めての恋
「透~!おはよう。今日から、また毎日会えるね」


「う…うん。そうだな」


「透、休みボケ?何か元気ないよ~」


「いや、そんな事ないって…行こう」


学校までの道のり、二人は冬休み中の出来事を、話していた。


麗は、ただ何となく透に元気がないのが気になっていた。


「麗、今日うちに来れるか?」


「行けるよ!久しぶりにDVDでも見る?」

「あ~ぁ。じゃあ帰りな」


1日元気のない透の事ばかり考えていた。


(何かあったのかな?)

透の部屋は、クリスマスに来た時と変わっていなかった。麗の苺のクッションは、透のベッドの上に置かれていた。


部屋に入るなり、透は麗を抱き寄せた。


「透?どうしたの?」

初めての時とは違って、透は荒々しく麗をベッドに押し倒し、唇を重ねた。麗の手を押さえ付けると、嫌がる麗を無視するように…


「痛い!痛いよ透。やだ~」


一つになった時に、麗は透が泣いてる事に気がついた。


「ごめん。麗、しばらくこのままでいいか…?」


透は、麗のぬくもりを感じながら、優しくキスをしてくれた。麗も透の涙の訳を聞かなかった。


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