嫌いなあいつは婚約者
「あれ、誰?」
「水野社長んところの息子さんよ」
「あっちは……」
「酒井社長の娘さん」
「あれ、でも酒井社長の娘さんって…」
周りが噂を流すように一斉にいろんなことを話し始める。
やめてぇぇえ!と下を向いていると、頭をぺしっと叩かれた。
「いつっ!」
「お前、またナンパされてんの?」
「ちっ、ちがうって!」
私の頭を叩くような人は、このパーティーに来てる中で一人しかいなくて、その姿を現すなり、周りはさらにガヤガヤとうるさくなった。
「あー、すみません。これ、一応まだ俺のなんで、話は俺を通して貰わないと。」
おおおお俺のって!!??
かぁぁぁ//と赤く染まる頬。
そんなこと言われたら期待しちゃうじゃん!
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