虹が見えたら
「あ、あなたは・・・」
「奇遇ですね。修学旅行ですか?
あ、お金は返してくれなくていいですからね。
あと少ししたら僕はチェックアウトして帰りますから。
楽しんでいってください。」
「でも・・・あの」
「助けてもらったお礼。それにしては小さすぎですけど、あはは。」
「名前お聞きしてもいいですか?」
「あ、そうですね。僕もこの前きいておくべきだと思いました。
僕は沢井響。城琳学院で事務の仕事をしています。」
「私は山田なるみです。学校は・・」
「流沢ですね。城琳からだとお隣の町にある学校。
自然が豊かで寮生が多いのも特徴だとか。」
「よくご存じなんですね。
私も寮生なんです。」
「女性で寮生活はさびしくないですか?
ご両親の方が心配でさびしがっておられるかもしれませんね。」
「あ、両親は亡くなったのでいないんです。
近所に兄が住んでいますし、寮生活は楽しいからさびしくないですよ。」
「え、そうだったんですか。
失礼な質問をしてしまって・・・申し訳ない。
じゃ、僕はもどりますのでこれで。」
「あの、ありがとうございました。」
なるみはペアのかぼちゃ人形を持って友人らとホテル内の部屋へともどっていった。
その後2日移動した先でそれぞれお菓子や名産品を買って、無事に楽しく過ごすことができた。