虹が見えたら
なるみはひとりで抱えていたことをやっとはき出せたせいか、落ち着きをとりもどすことができた。
「やっと笑ったね。
さっきの顔じゃ実習になったらどうするんだろうってマジで心配しちゃったけど。」
「そんなに暗かったですか・・・」
「そうだね。そんなに君に心配してもらえる男がうらやましいとも思うけど。
まぁ、あれだけ美形で君を大切にしてた人がいなくなってしまったら、どんな女性でも悲しいんじゃないかとも思うね。
いいなぁ・・・見た目がカッコいいと。」
「きりちゃん先生も人気あるじゃないですか。」
「1ケタの年齢の女の子にはね。あはははは。
ただ1つだけ言っておきたいんだけど、どんなに素敵な彼で、どんなにお互いが思っていても逃れられない悲しい結末が見えそうなときは、自分の夢を優先するんだ。
真樹さんは自分のために君が夢を捨てなきゃならないことは望んじゃいないはずだ。
がんばって勉強だけは続けるんだよ。」
「はい、ありがとうございます。
また、きりちゃん先生に助けてもらっちゃいました。」
「惚れ直しは大歓迎だから。あははは。
来週、みんなで待ってるからね。」
「はいーーー」