虹が見えたら
真樹はなるみに笑われてうつむいてしまった。
うつむいたままだったが強い口調で言う。
「それでどうなの!俺が好きか?
結婚の返事はできる?
今はまだ無理ならはっきりと言ってくれないか。」
「無理だもん!」
「おわっ。・・・そんな簡単に・・・あっさりと」
「真樹さんがなるみを愛してくれないなら返事なんてしないんだから!」
「はぁ?
僕はもちろん、なるみちゃんのことを愛してる。
ちっちゃな頃からずっとなるみちゃんのことは大好き。
伊織といっしょにいつものぞきに行ったんだから!
ほんとにどうしていいかわからないくらい愛してるのに。」
「好きよ。
こんなきれいな男の人といっしょにいていいのだろうか?っていつも思ってたけど、離れるなんてとても考えられないの。
家族だなんていって住んでるだけも嫌。
私、欲張りだもん。安売りしないんだもん。
自分にめいっぱい高値つけて、お嫁さんになってあげる。
お嫁さんになったら保育園で働いてもいい?」
「ああ、もちろん。
高い買い物だな・・・ほれ、婚約の指輪。
結婚のは式まで待っててくれな。
そして・・・行こうか。」
「えっどこへ?」
「2人で新しい家庭を作る家さ。」