6月の蛍―宗久シリーズ1―
咲子さんは、まだ不安が消えない様子だった。



迷う様にうつむき、足元を見つめている。





「ですが…弘文さんは……」





他界してしまっている。


だからこれは、僕の役目…になるのだろう。




「多分、咲子さんの求めている答えに、僕も答えられると思います」



咲子さんは顔を上げた。




「本当ですか?」

「ええ」




笑って見せた僕に安心したのか、咲子さんもまた、ようやくほっとした笑顔を見せた。










.
< 8 / 93 >

この作品をシェア

pagetop