月物語 ~黒き者たちの宴~
「綱紀を改めたい。
それには、あなたが必要だ。
私は、傀儡政治にはしたくない。」
礼は目を閉じた。
自分でも予想外の言葉が出てきた。
話が別の方向に流れてしまう。
人を下がらせたことで、進展があると油断した。
やはり、東老師は落としたい。
「東老師は、この国をどの様に導きたいのか?
今の私なら、あなたの手に掛かればすぐに落ちよう。」
「はっはっは。それこそ傀儡ではないですか。」
「確かに。
だが、皆が納得できる政などできはしない。」
「そして、皆が望む王にもなれないと?」