月物語 ~黒き者たちの宴~



「お前には、いずれこの地位を継いでもらう。」



劉向は手を止め、目をつむる。



「だから今回は関わるな。」



劉向は振り返らずに言った。



息子の表情はわからない。



だが、想像はつく。



「…俺だって、あいつが心配なんだ。」



静かな声が転がった。



「わかっておる。」





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