月物語 ~黒き者たちの宴~


―――――――――――――――――――――――


―――数日前。



暗い部屋で、男は目覚めた。



「…おい。
おい!」



誰かが呼んでいる。



くらくらする頭で、声のする方を振り返る。



身体はどうやら動かないらしい。



―ここは、黄国…ではないな。
ということは、まだ生きているのか。



だが、それは彼にとって望んでいたことではなかった。



いっそ消えてしまえばよかったのに。




< 220 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop