月物語 ~黒き者たちの宴~
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少女は、見下したように『花』に視線を投げる。
それが少女の素の顔だった。
「『花』は花らしく、咲いたら枯れなさいな。
ふふふ」
少女は大人の女のように笑った。
『花』は、何も答えない。
年齢に似合わず彼女が大人びて見えるのは、その冷たい瞳のせいだろう。
「時は満ちた。」
『花』は、びくりと肩を揺らした。
―そうだ、私はやるべきことがある。