月物語 ~黒き者たちの宴~



二人は顔を見合わせる。



―あのじじい!
―あのじじい!



「じじいは早く出ろ。
こっちは何とかする。」



「しかし…いや、それしかないか。」



二人は急いで離宮を離れ、獅子は声のした方に走っていった。



東苑は、秘密路をかけながら願う。



―天よ、わが友をお守りください。



東苑は、そのまま暗闇をかけていった。



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