月物語 ~黒き者たちの宴~
女官たちも不安を隠せないでいる。
上級官吏が情報を握っている証拠だ。
流れないように計っている。
いつも頼りになる彩夏も、今日は姿がない。
結局礼が知り得たのは、劉向は清罪宮の一室で殺されたということと、その後釜として彼の息子が就いたということ、その二つだけだった。
それ以上の情報は流れてこない。
いや、当たり前か。
礼に流す必要はない。
流したところで、何になる。
それが朝廷の判断なのだ。
しかし、瞬時に、色々な顔が頭の中を巡った。
―見方は、誰?