月物語 ~黒き者たちの宴~



そして、おもむろに何かを転がした。



「鍵?」



鍵が二つくくられていた。



「急げば、間に合う…祝融、様、を…」



それっきり、男は喋らなくなった。



微かだがまだ息はある。



―もう、これ以上…



礼は鍵をもって、この場を離れようとした。



「そっちは、俺にまかせろ。」



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