月物語 ~黒き者たちの宴~



「皆、王に早く覚えてもらいたいのですよ。
明日、挨拶の機は設けてありますから、今日はゆっくりとお休みください。」



劉向は口元の髭を動かして、にこりと笑った。



礼は頷くと、皆が平伏す中央の赤い絨毯を歩いた。



気分が良かった。



―私が王。



案内されるがまま、一つの部屋に辿り着いた。



部屋には、美しく着飾った女たちが平伏していた。



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