月物語 ~黒き者たちの宴~



「さぁ、皆さん。赤国に王が誕生され…」
「誠か!
誠にこれで王に就いたと言えるのか?」



厳格そうな男が声を張った。



「祝融様はなぜいらっしゃらないのか、劉向殿。
拝名の儀を如何にして取り行うつもりか!
民へのお広めの儀は!」



「静まれ、平当(へいとう)殿。
主上の前であらせられるぞ。」



彩夏が諫める。



それでもなお、男は続けた。






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