月物語 ~黒き者たちの宴~
「東師、これからわたしは何を学べばいい?
赤国や赤州、諸外国についてもまだまだ学ぶべきことはたくさんある。
しかし、それをすべて知ることは不可能だし、王宮内にも問題があるように思う。」
今日こそは探りを入れたい。
東老師は信頼できると考えている。
そして、必要な人物だとも。
何としても、こちら側に付けておきたい。
東老師自体には、それほど権力や地位はない。
あるのは頭と人脈。
それこそが彼の力だ。
彼が、何かを掴んでいるのは確かだ。
時々そういったものを臭わせる。
粘り腰の礼に、とうとう東師は人を下がらせた。