雨のち晴






キスをしてから、


2日が経って。


まだ誰にも言えず。


1人困惑していた。


今日も普通に学校に向かう。


のはずなのに何か、違和感。


隣のクラスがやけにうるさくて。






「朱里」







廊下を歩くあたしに、


声をかけてきた。


振り向くとそこには、


待ってましたと言わんばかりの


恵衣と麗華。






「どうしたの?」






2人とも難しそうな顔で


あたしを見つめている。


先に来ていたらしく、


手には何も持っていない。






「今日放課後空いてる?」






「空いてる、けど?」





「教室残ってて。ちょっと用事あるから」





「う、うん…分かった」






じゃあ、また後でね。


2人はそう言って、


教室に入って行った。


あたしは呆然と立ち尽くしたまま、


しばらくその場を動けなかった。


授業が始まり、大人しく受ける。


少しも面白くなくて、


途中居眠りをした。


放課後までが長くて、


長くて長くてたまらない。


朝見た、


2人の顔が忘れられない。


あんな2人を見るのは、


久しぶりというか、


初めてというか。







「朱里」






お昼休み。


友だちと食事をしていた時。


後ろから声がして、


頭を倒して上を見ると


そこには十夜がいて。






「な、何…?」






思わず動揺する。


だって、キスしてまだ


2日しか経っていない。


なのに、十夜は普通で。


少し悔しかった。








「関根が呼んで来いって」






「あたし?」






「どうせ雑用だろ」







頑張れよ。


そう言ってまた。


髪をわしゃっとして。






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