万華鏡
節約のために蛍光灯を半分しか点けていない薄暗い廊下に出て、右に曲がって真っ直ぐ行った突き当たりの部屋。
重い鉄扉のドアノブの上にある鍵穴に、ジャラジャラとたくさんの鍵がついた束の中から一つを選んで差し込んだ。
扉を開けてすぐ横にあるスイッチを入れた。真っ暗な部屋が急に明るくなって、薄暗い廊下を通って来た目には眩しさを感じる。
「ここは物品の保管庫。色んな部署から物品の請求が来たら、ここに取りに来て。在庫の確認や発注もそのうち任せるから。」
「…ふーん。」
ふーん…て、わかってんのかしら。まるで他人事のような返事。
「じゃ、次はコピールームに案内するわ。」