万華鏡


千尋の机に突っ伏して泣いた。今までこんなに泣いた事があっただろうか…。何も考えず、声がおばさんに聞こえようが関係なく、一杯泣いた。

千尋の馬鹿…

何でいなくなるの…

一人にしないで…

何度も叫んだ。でもどれも嗚咽に欠き消され、何を言ってるのかわからなかった。

それまでゆらゆらとしかしてなかったカーテンがいきなり強い風に煽られてふわりと靡いた。

それによって日記の新しいページがパラパラと捲り上がって、…止まった。

ふと、それに目をやると何かが書いてある。

潤んだ瞳で字が滲んでよく見えない。

何度も何度も目を拭い、大きく息を吸って気持ちを落ち着かせた。それにゆっくりと目を移した。




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