万華鏡


俺は産まれる前から理佳子と出会ってた。

もしも出会えた事が宿命なら
また必ず会えると信じてる。

もしも離れる事が運命だったなら
そんな運命、変えてみせる。

万華鏡のように
幾つも模様が変わっても
中身は同じビーズだから
いつかは必ず会えるよ、きっと。

そう信じてる。

生まれ変わっても理佳子を見つけるよ。




これは…一体いつ書いたのだろう。

また涙が溢れだした。

その時、開け放たれた窓からビュッと風が吹き込んで、髪が後ろへ靡いた。

フワッと優しい空気に包まれた時、耳元で『理佳子』と声が聞こえたような気がした。




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