おもちゃのユビワ
それからというもの、高木は何かにつけてナオを誘うようになった。



「今度映画行かない?」

「カラオケ好き?」


「遊園地行こ?」



断っても断っても積極的に誘ってくる高木にナオは困っていた。



そして断ったあと必ず、「じゃ、送るだけでも~」と言うため、一緒に帰ることが何度かあった。



その日も結局送ってもらうことになった。



「ナオちゃん、帰ろっ」



「うん…」



「そんな暗い顔しないっ!あっ、じゃあ笑える小噺でもしようか。えー、毎度バカバカしいお話を…」



「いい、いい、分かったから。」



「そう?じゃレッツラゴー!」



ナオはいつも高木のペースに乗せられてしまった。



< 117 / 200 >

この作品をシェア

pagetop