失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「ついてきてる男はお前目当てだろ」


めんどくさそうに言うもんだから、理解に時間がかかる。



「…………?」


分かりませんでした。
理解できませんでした。


「……、お前、口さえきかなけりゃかわいいからな」


“かわいい”


陽の口からでた思いがけない言葉に、思わず照れる。


あえてその少し前の言葉は無視。スルー。さようなら。


「……よし、そろそろ戻るか」


「あ、うん」


何だ!
この感覚?


胸がドキドキする。




――熱射病か!?







“さくら”は陽と亜美のおかげで今日も潤ってます。


「かき氷三つ!あと俺の笑顔三つ!」


大翔は警察に捕まったらいいと思う。



「キャー!!」


そんな大翔が喋るたびに歓声が上がる店内。


ホストクラブかよ。


「アドレス」
「ご注文は?」


さっきからアドレスを聞かれまくってます。


でも無視してます。


だって……下心が丸見えだよ。


「あたしに欲情するなんて……」


「だよなー」


横から聞こえてきた声に、


「うるさい。万年発情期」


まぁ、大翔ですけど。



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