失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿


あたしは精一杯、意味の分からないって顔で陽を見てやった。


「なんでそんなとこにいっちゃうの?」


ちょっと変な思考回路だな、おい。


「……ふぅん」


なぜだ。

納得してなさそう。



「信じてね」


一応念をおす。


「……信じてるって」


「今の間はなんだ」


「気にすんな」


よかった。

いつも通りの陽だ。





その日も夜までみんなでわいわいしながら寝たのは夜もだいぶ過ぎた頃。



その次の日も。



接客中に眠すぎて休憩中に少し寝たら沙恵さんに怒られた。



最後の日、あたしたちは沙恵さんのもとから、海から、“さくらから、去った。





「さようなら」



ばいばい、あたしの最初の思い出。





たぶんこの三日間はあたしの一生の思い出になるだろう。




―――――――――夏の実行





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