失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



亜美がやるのはそんなに難しい事ではない。


といっても失敗は多額の損失を意味するものばかり。

気を抜いてやれるものなんて一つもない。


「……手帳」


パソコンに送られてきていた次のスケジュール。


それを手帳に書き入れたいのに、見当たらない。


カバンを探ってもない。


――ということは……



ナイスタイミングで携帯がなった。


サブディスプレイに表示されていた名前は陽。


まだ朝早いのに……


っていうか鳴り止まない。



電話やないかーい!



「もしもし?」


「おはよう」


聞こえてきた声にかなりびっくりした。


「……カッスカスだね」


「うるせぇ」


寝起き感ありまくりですけど。


「それよりメールの、どういうことか説明しろ」


カッスカスの声であたしに質問する陽。


「……、」


あたしは迷った。
陽たちはあたしが深瀬であることを知っている。

だから別に仕事をしていることをいってもいい。

内容さえ言わなければ。


ということで、簡単に説明することにした。



自分から聞いたくせにあまり興味がなさそう。




< 150 / 509 >

この作品をシェア

pagetop