失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「最近、日本で新しいゲームがでたって聞いて、買いに来たの」
くそぅ、
なんなんだ、このゲーマーめ!
あたしの緊張を返せ。
「で、買えたのか?」
「いや、買えなかったんだよね」
普通に会話する親父と瑠伊。あたしだけ仲間外れだ。
「……」
危ない。つい、
“なんでいきなり、陽たちのとこにきたの?”
って聞きそうになった。
親父はあたしがヤンキーと友達であることは知らない。
だから、今は聞けない。
「……何でかわからないがわたしは疲れた。そのため、わたしは寝る。バイバイ」
若干片言になってしまったが、あたしはリビングから、去った。
「……亜美、まだ思い出してないよね?」
「多分」
隆と、瑠伊は亜美が完全に去ったのを見届けると、小さな声で話しはじめた。
「瑠伊、お前まさかそれを心配して……」
「一応俺の片割れだからな」
瑠伊が今まで見せたことのないような、優しい苦笑いを見せた。
「ゲームなんか、どうでもいい。俺は、亜美が苦しむ姿をみたくない」
「私もだよ……」
亜美が忘れた記憶。