失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
結局何がしたかったのかな?
あたしをけなして。
あたしを怒らせて。
あたしのお世辞を言った。
うん、それだけ。
でも、なんとなく元気でた。
――ありがとう
そんなこと言わないけどね。
恥ずかしいから。
「よしっ!寝よう」
昔からそうだった。
何かあれば寝る。
起きたら全部忘れて、いつものあたしに戻る。
布団に入ってかなりはやく眠りに就いた。
「亜ー美、」
瑠伊はゲームをしようと、亜美の部屋を訪れようとしていた。
「瑠伊さん、今は……」
佐伯さんに止められた。
「なんかあった?」
こいつも亜美の変化には敏感だった。
「もう大丈夫です。きっと今はお休みなってます」
「そう」
ならだめだね。今は邪魔できない。
「俺が、ちゃんとしたお坊ちゃんだったら、亜美はあんなふうに悩まなくて良かったのかな?」
「失礼ですが、瑠伊さんは、向いておられません」
「それは自分が一番知ってる」
だからといって、亜美に向いている世界だとも言いにくいけどね。
俺は逃げたから。