失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
今日は武との約束の日だ。
朝はいつも通り起きれた。
でもなぜか頭がすっきりしない。
――夢を見ていた気がする
でも内容は全く思い出せない。
母親がいたような気がするのだけれど。
「亜美さん、」
「ノックを覚えろ」
「あぁ、すいません。見られて困るようなものが有るとは思いませんでした」
駄目だ。この人はだめだ。
あたしを一体なんだと思っているんだろうか?
「アホで鈍感でちょっと……頭が危ないお方です」
「まじか!?」
心の声がだだもれだったことよりも、佐伯さんの返事が心にぶっささる。
「ブロークンハート」
「亜美さんの心は防弾ガラスですので大丈夫ですよ」
え?この人あたしの使用人だよね?違うのか?
一応今の佐伯さんの主人はあたしだよね?
なんでこんなにコケにされてんだろう?
だめだ。
あたしには分からない。