失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「ボランティアって何?」
「はぁ?テメェそんなことも知らねぇのか?」
「ボランティアの意味は聞いてない。とにかく詳しく聞かせて」
ボランティアの意味くらいあたしでもわかるし!
ってか大雅がうっとうしい。
「老人ホームに劇をしに行くんだけど、演劇部の人手が足りなくて俺たちが手伝うことになったんだよ」
よし、一旦整理しようか。
とりあえず演劇部。
あんたら勇者だな。
よくこんな奴らを老人ホームに連れていこうとしたわ。
ってかあんたらも引き受けちゃったのね。
しかもさっきまでの状況を見ると、ヤンキーたちも結構ノリノリ……と。
「どんな話の劇なのかしらないけど、さっきみたいな状況が出てくるやつではないよね?」
あんな今にも喧嘩始まりますって感じの場面があったら、あたしの心臓が止まるね。確実に。
「さすがにそれはないよ」
あはははって笑う優真君。
なんだろう。
信用できない。
「ヤンキーやめちまえ」
もはやヤンキーとしての行動が少なすぎるだろ。
あんたらは一体なんなんだ。