失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「まぁ、そういうことだ」


とりあえず大雅は部屋の隅にでも蹲っときなさい。



「なんか、疲れたので帰ります」


心労がたたった。



多分今みたいな状況。



「シュークリームうまっ」


ドアを開けようとした時に聞こえた陽の言葉。


「亜美も食うか?」


そんなの決まってる。



「食べる!」


に、決まってるだろ。



「なら座っときなさい」


「はぁい」


一旦出ようとした部屋に出ないで逆戻り。


さっきまで座っていたソファーに座ると陽がカバンからシュークリームを取り出した。


――そこからかよっ!



でもありがたく受け取る。



「おいしい!」


さすが陽。


誰よりもシュークリームが好きな男だからこそだろう。



うまいシュークリームを知っている。




しかも冷たくて、走ったり、怒ったりした後の私にはとてもおいしく感じられる。



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