失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「仲良くしといて損はない。には私も同感です。失礼ですけど、金井家はあなたの家よりだいぶ大きい。その上、社会的にも仲良くしているという肩書きは大きいですもんね」


「あの、」


何も言わせてやらない。


言い訳も、開き直りも、なにもかもあたしはあんたに言わせない。


「では、ご存知でしたか?あなたの言動一つ一つが大翔を傷つけていることを」


歪んでいた表情が変わり、怪訝な顔をしている。


「その様子では知らないんでしょうね」


知っているのに、それをしていたなら、あたしはこの男を貶し、蹴飛ばして、張り倒していただろう。


「社長の席が責任の重いものだということはしっています。でも、正直あなたのような社長には私ならついていきたくないですね。利益ばかりを見て、人間関係を全部損得で判断するような社長は嫌ですから」


傷ついた顔をした。


でも、いつか、誰かが言わなきゃいけないことだった。


大翔のことを無しにしても、上がこれだったら、社員は付いてこないし、何もかもうまくいかなくなるのがオチだ。


社長は、社員の人生にも責任を持たなければいけないのだ。






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