失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



武に連絡をし、話があるといった時、何かを察したのか武は「昼でも食べながらどう?」と申し出た。


亜美も長くなるのは覚悟はしていたのでとても有り難い申し出だ。


亜美はありがたくその誘いを受け、お昼を食べながら話すことにしたのだ。





「――――で、アメリカ行くんだろ?」


礼儀正しく、ナイフとフォークを使いながら野菜を食べた武は、何の前触れもなく言ってきた。


「ん、まぁね。あ、野菜おいしいね」


「何しに?当たり前だろ、それ、俺の家で育てたんだからな」


「勉強しに。え?武の家で育てたの?」


「ふーん。大変だね。本当だって」




うん、このへんな会話何?


「ってか、庭よってく?」


まだ続けるの?


「行く」


行くけどね。


見たいよ。


だっておいしいもん。この野菜。


「アメリカねぇ……。亜美がアメリカか」


「何さ……」


「お前、米と味噌汁大好きだろ?」


あぁ、そこか。


「あ!確かに」


そこ大事ですよね。


「耐えられるの?」


「耐えてみせる」


耐えるしかないしね。


もう後戻りは出来ないのだから。
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