失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



ご飯を食べた後、ゆっくりお風呂に入った。


「あ゛ー」


ついおっさんみたいな声が漏れる。


熱いお湯が、あたしを心の奥から温めてくれる。


そして思い出すのは大好きな顔。


「……今、どうしてるかな――――」


あの別れから一度も連絡はしていない。


もちろん連絡もこない。


誰一人。


大翔にさえも、アメリカに行ってしまえば会わない。


あっちはあっちで頑張っているに違いない。



あ、そういえば一度だけ優真君からメールがあった。


あれはいつだったかな?


今何をしているのかを教えてくれたのだ。


その時は、優真君は保育士になるために専門学校へ。


颯太は猛勉強をして弁護士になるために大学へ。


大雅はバイトをしながら、きれいなお姉ちゃん引っ掛けながら、ファッション関係の専門学校へ。


大翔は家を支えるために大学へ。


陽が一番驚きで、いきなりパティシエになるとか言って、製菓の専門学校に行ったとか。



やればできる奴ばっかじゃん。



ってか陽がパティシエとか。


似合いすぎてる。


優真君からのメールには返信はしていない。

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