失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



若干の息切れと共に、勢いよく音楽室のドアを開けた。



「シュークリームがどうした!」





挨拶はなし。



ただみんなの冷たい目線が痛い。



「……何、お前。はじめからおかしいとは思ってたけどさ、とうとう……」



とうとうって何だよ。



ってか、はじめからってなんだよ。



「正常だよ」


「異常の間違いだよ」


「聞こえてるよ」


大翔がボソッて言ったのが聞こえた。




あたし、地獄耳なんだよ。



「シュークリームが食べたいって言いたかったんだよ」



このシュークリーム王子め。



空気を読め。


今は確実にあたしの質問に答える時ではなかったよ。




「ってかかなりどうでもいいね」


あたしは何のために急いだんだろうか?



誰か教えてください。



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