失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
息切れがおさまってきたころ、陽が心底不思議そうな顔をしていた。
「お前、……何でそんな急いでんだよ」
「あんたのせいだよ」
だれかこいつをシュークリームで包んでやってください。
しばらく大人しくなると思うんだよね。
「……ハァー、ほんと、何であんなに急いだんだろう?」
本気でわかんなくなってきましたよ。
とりあえず、陽のせいにしとく。
「今日はみんな揃ってるんだね」
大雅も、颯太君も、優真君もみんないる。
大雅は寝てるし、颯太君はあたしを睨んでるし、優真君はニコニコしてる。
癒しは優真君という、唯一の常識人だ。
ちなみに大雅は寝ている時は静かだ。
しかも寝顔が美しい。
美人さんだよ。
口さえ開かなければな。