―先生は意地悪―
七瀬有紗
「ゃ、どの変に俺を好きになった理由がある訳?」
あー…私馬鹿だ。
「あの…冷たいとこ……とか」
「変わってんね」
私…
「お前と付き合ったらの特権でも言われたのかね俺は」
「すいません…」
先生が言った通り、好きな理由じゃなくて先生にしてあげたい事言っちゃってるだけだったよね。
「俺、生徒には近付くなオーラ出てるって言われんのにな」
「ごもっともです」
「でも、お前は近付いてくんだな」
「好きなんで…」
はぁ…もう嫌。
人生初めての告白がこんな馬鹿みたいで
ファーストキスは、両想いキスじゃなくて…
はぁ…
「変わってんね」
「先程も言われました」
先生、さっきから笑ってる…笑ってる!?
「先生…」
「何だよ」
「私、先生を笑顔に出来ました」
私がそう言うと、先生は真顔に戻って
「もう叶ったじゃん」
って、また笑った。