甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
二人掛けのテーブルに向かい合って朝食を食べる。
うーん。なんだろう、この雰囲気。
「センパイ、お醤油取って」
「ん、」
だからね、なんか、気になるというか。 やっぱり、一応確認した方がいい?よね。
「孝太、なんであたしのおでこにキスした?」
寝ぼけていても、何となく覚えている柔らかい唇の感触。
……女の子、無理なんだよね!?
ご飯を口に運びながら、孝太をチラリと盗み見た。
「ん〜、センパイの寝顔、狸みたいで可愛かったから。人間離れしてるというか」
「へっ!?」
……人間離れですか。
「狸、可愛いからいいじゃないですか。俺好きですよ」
「ふーん。狸ね」
「そ、狸です」
孝太が狸を好きだってことはわかったけど。 なんか、上手く誤魔化されたような……。