甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


孝太は朝食を食べ終えると帰っていった。

昨夜、呑み過ぎたのは仕事のストレスじゃないんだよね。

孝太は気付いているくせに何も訊いてこなかった。

そんなところ、有り難い。


このところ続いている元カレからの電話があたしを悩ませていた。

内線だから無視することも出来なくて。


いつも適当に理由をつけては早々に電話を切り上げているけど。

精神的ダメージが全くないわけじゃない。


あたし達が別れたのは、元カレ浩二の浮気が原因だった。

自分が出向先の受付嬢に手を出したくせに。


今更、遅いんだから。 あたしがどれだけ傷付いたと思っているの。

……本当、今更。


もう少し早かったら、あたしはアイツのところに戻ったかもしれない。

だけど、今は、孝太とじゃれている方が心地良いから。


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