甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~

 
初めて見る孝太の私服。 何でもないダウンコートにジーンズ。

ふーん。

……カッコいいじゃない。


「うわっ、いい匂いっすね。旨そう!!」

部屋に入るなり、はしゃぎだす孝太。


「何買ってきた?」

「センパイ、どうせ鍋しか作ってないでしょ!?コンビニでツマミを適当に」

こたつの上にお惣菜を並べて、もう一つのビニール袋をあたしに差し出した。

袋の中身は缶ビール。


「呑む気か、君は……」

「え?違うんですか?」


ふわりと笑う女嫌いの孝太。

その笑顔がダメだって当の本人は気が付いていないのか。

お目出度いヤツめ。


< 16 / 134 >

この作品をシェア

pagetop