甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
    

「浩二君、落ち込んでた。自業自得なんだけどね。浮気をしたのは事実だし。

今更、こんなことを言うのも迷惑な話だと思う。

だけど、カナには話しておくべきだとあたしは思ったから。

あの時、カナと別れて受付嬢と付き合ったのは、その子に妊娠したって言われたからなんだって。

嘘だと思ったけど、泣きつかれたら突き放せなくて、そのまま付き合うことになったらしい。

でもそんなんじゃ、最初から上手くいくはずもないよね」


「……知らなかった」

「浩二君、誰にも話してなかったみたい」

本当、男ってバカよねとミドリは笑った。


「結局、妊娠していないことがはっきりして、その後はカナが知る通り……」


「そう、なんだ」

「ごめん、やっぱり余計なことだったね」

「もう、吹っ切れてるから、大丈夫」

あたしはミドリに笑顔で返した。


「そろそろ、席に戻ろうかな」

そう言って、ドアに向かって歩き出したあたしに、ミドリがひき止めるように声を掛けた。

「それから、もう一つカナに謝らないといけないことが……」


あたしはドアノブに手を掛けたまま、ゆっくり振り向いた。

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