甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


それから、一件営業を済ませ、遅いお昼を取っていると原口主任が外出先から戻ってきた。


「お疲れです」

「出来たか?見積書」

「はい」

「貸してみろ」


無表情で見積書を受け取りざっと目を通すと、えっ!?と言葉にするより早く
「大丈夫だな、今回は」と柔らかい笑みを作る。


「あ、ありがとうございます」


いつもと雰囲気が違う主任にあたしは戸惑っていた。

そもそも、何故主任があたしのトラブルの世話を焼いてくれるのか不思議だった。


二人で営業車に乗り込んで代理店へと向かう。

運転は原口主任。あたしは助手席で緊張のあまり押し黙っていた。


「野上」

「え、はいっ」

「俺、イマイチ場所把握してないんだけど」

「あ、すいません」

「大体の住所を言って」

「2丁目24番地…」

「総合病院が近くにある?」

「あっ、そうです」

「オッケー」

……原口主任ってこんな感じだった?

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