甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


「今度、昇進試験受けるんだよ」

信号で止まった時に、あたしをチラリと見た原口主任。


「……そ、そうなんですね」

「お前さ、何に緊張してんの?」

「えっと、」

まさか、原口主任になんて、口が裂けても言えない。


「もしかして、俺じゃないよな?」

「ち、違います。あの、今回は見積金額が大きかったので」

「誰にでもミスはあるさ」

何だか今までのイメージと違いすぎて、どう反応していいのか分からない。

事務所に居るときとは、いつも眉間にシワを寄せて、話し掛けるなオーラを全面に出しているのに……


それから走ること数分。

約束の時間の10分前に代理店に着いた。


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