甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
「丁度良かった、今タクシーが来たところで。センパイは俺が送っていきますけど、主任はどうします?一緒に乗っていきますか?」
そう言いながら、いつものようにあたしの荷物を持って帰り支度を始める。
「俺は、いいや。もう一軒寄ってから帰るし。悪いけど、野上のこと頼むな」
「はは、いつものことなんで、大丈夫です」
頭上で交わされる会話になんとも情けない気持ちになる。
「センパイ、立てますか?」
「うん」
ガラガラと椅子を引いて立ち上がると、孝太が当たり前のようにあたしの手を取った。
「え?」
どうすることも出来ずに、原口主任を見ていた。
孝太は無理矢理あたしの手を引いて店から出ていく。
恋人にそんな事されたら、誰だっていい気分にはならないのに。